=おしらせコーナー=
中国電力が、11月4日「ボーリング調査」準備作業を開始
しかし、祝島漁船団が監視・抗議し、12月15日中断
(これまでの経過)
2019年6月10日:中電が、2023年1月までの埋め立て免許延長を山口県に申請。その期間内に約6カ月の海上ボーリング調査を行うとした。
7月26日:山口県が、免許延長を許可。
10月31日:山口県が、海上ボーリング調査を許可。
11月8日:中電が測量や潜水調査の準備作業を開始。祝島漁船団の監視・抗議行動で一切作業できず。
12月16日:中電が、ボーリング調査の一時中断を発表。
2020年10月7日:中電が、山口県に再び海上ボーリング調査の許可申請。
10月29日:山口県が、海上ボーリング調査を許可(期間3カ月)。
11月4日:中電がボーリング調査の準備作業を開始。祝島漁船団の監視・抗議行動で一切作業できず。
12月15日:中電が、ボーリング調査の一時中断を発表。
祝島漁船団の中に入る中電司令船(真ん中の船) 建設予定地の田の浦海岸から応援・監視
中電は調査中止の申し入れを無視
2020年11月4日、懲りない中国電力は上関原発建設予定地での「ボーリング調査」に向けた準備作業を昨年同様に開始した。ボーリング調査の目的は、活断層の有無と地質構造のデータ収集だと中国電力は説明する。これは明らかに原発建設への準備工事であり、海の環境を汚染・破壊する。
中電が4月に、山口県に対する「ボーリング調査」の許可申請を10月以降に予定すると表明して以降、「原発を建てさせない祝島島民の会」をはじめ当ネットワークを含む多くの団体が、何度も中国電力に「ボーリング調査中止」の申し入れを行ってきた。
昨年も祝島漁船団が監視・抗議を行い、一切作業できなかったのを中電は忘れたかのようだ。中電は11月4日以降、昨年同様のパターンで田ノ浦湾の海上にやってきた。当然祝島漁船団が待ち受けており作業は一切できない。陸上からは、昨年同様山口県を中心に集まった人たちが、原発反対のバナーや幟を掲げて漁船団応援の監視・抗議活動を行った。もちろん当ネットワークからも作業予定日には必ず応援に出かけた。
準備作業は一切させていない
中国電力は、これまで11月4日以降、8日間(天候不良・日曜などで休む日を除く)のみ準備作業に現れた。昨年同様に中電社員用母船、お願い船、監視船の3隻で準備作業に来る。そして、お願い船で調査予定地周辺の海上で釣りをしている祝島漁船団の一隻ずつに移動のお願いに回る。「作業を行いたいので30分程でいいので船を移動して頂けませんか?」と。今年はコロナ禍でもあり、もし中電社員が感染していたら声をかけられる漁船団にとって大迷惑だ。作業日には、朝10時頃やって来て、何度もお願いを繰り返し、16時頃すごすごと帰っていく。
上関大橋に段差発生で人身事故
そんな状況下、11月14日夜、上関大橋の橋げたに約20センチの段差が生じ、それに車が衝突しけが人が出た。段差発生の原因は、橋台をつなぎ留めていた鋼材が破断したからと推測される。現在、応急補修工事をして通行規制中だ。この橋は、町民の生活にとって欠かせないインフラであり、通れないと大変不便。中電にとっても敷地への出入りに必須の橋だが、私たちもこの橋を渡らねば田ノ浦現地に行けない。また、上関大橋の管理者は山口県だから、安全・保守管理には信頼がおけない。数年前に大規模改修工事をしたはずなのに、本当に大丈夫なのか?
12月15日、やっと中電が調査中断を発表
中電のやることは昨年同様に同じことの繰り返しでうんざりするが、気を緩められない。早朝から漁船を出して交替で監視活動を続けている祝島の漁師の方たちは大変である。仕事を休まざるを得ないし燃料代もかかる。そんな中、中電は12月15日、調査の中断を発表した。しかし、中止ではなく中断であり、来年4月以降に再度申請するそうだ。相変わらずあきらめの悪い会社である。今後とも警戒を緩めず動きを監視する必要がある。
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